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一般社団法人地盤工房は東京都市大学地盤研を母体とした、「地盤調査・研究」と「卒業生の交流」を目的とした団体です。

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泥「DRAW」泥で絵を描く

様々な種類の土を使って年月が経ち風化した「洞窟の壁画」のような絵を作ります。ここでは,製作風景や道具材料などを紹介します!
制作の様子(動画)はこちら

     
目的
我々人類は18000年〜10000年前の旧石器時代から,絵を描き続けています.特に洞窟壁画に関してはフランスではラスコー洞窟や,アルタミラ洞窟などが有名です. 本活動では洞窟壁画の再現を目的として,泥で絵を描く「泥draw!!」を行いました.
絵画のコンセプトについて
今回の絵画は,年月が経ち風化した洞窟の壁面を表現するため,下地に4色以上粘土を重ね塗りしています.また上部の鳥はコンドルをモチーフにしています.そして,その下の2頭の雄牛と7頭の泳ぐ鹿,人間が狩りをしている様子を描きました. 今回の絵では,石器時代の人間の生活と自然への畏怖の対象を描き出すことをコンセプトとし,絵画を上に見上げるほど人間では太刀打ちできない大きな動物や,神の使い(コンドル)があらわれます.新石器時代には死体を野ざらしにして、太母の霊の化身である腐肉を餌とする鳥たちがついばむのに任せるのが一般的な慣習であった.そのため, コンドルは死体を肉片にして天国へと運ぶ「死の天使」として畏れられていました.
 また「地盤工房」のPRとして,日本語・韓国語・中国語・英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語を下部に配置してあります.
材料
色付けのもととなる顔料は下記に示す各種粘土を使用しました.
・蛙月粘土
・黒しゅう楽土
・来待石粉
・薄しゅう楽土
・伊賀木節
・京錆土
・稲荷山黄土
・中国黄土
・鉄さび
・黒浜
これらの粘土は無機自然物顔料・有機自然物顔料です.今回はこれらの顔料となる粘土に水・でんぷんのりを混ぜ合わせて,「絵の具」として使用しました.
泥drawを行う上での注意点
・水分を含んだ状態と乾燥した状態では,粘土の色が異なります.
 「粘土+でんぷんのり+水」状態だと明度が下がるが,「粘土」と「粘土+でんぷんのり(乾燥)」については大きく色合いが異なることはないと感じたので,色一覧は「粘土」のみあれば十分でした.
・筆をつかって描くことが出来ません
 通常の絵の具よりも顔料の粒子が大きい為,筆の内部まで絵の具が浸透しません.筆の表面のみ絵の具がつくので滑らかに描けず,塗りにムラが出てしまいます.そのため,壁塗りを細かく行うようなイメージで,パレットナイフやスポンジなどを使うと描きやすかったです.
・広い面を描く⇒水分多め,細かい描写をする/重ね塗りする⇒でんぷんのり多め
 絵の具の用途によって,粘土・水・でんぷんのりの配合量は調整した方が描きやすい.水分が多めだと広い面を一気に塗れる反面,ムラになりやすく,長時間の乾燥時間を要する.でんぷんのりが多めだと絵の具の吸着がはやく細かい描写はしやすいが,絵の具が盛り上がるのでので凹凸が出る.
・地塗り材が結構大事
 今回スタイロボードに紙粘土とジェッソで地塗りを行ったが,最初に塗る色はキャンバスに吸着しづらい為キャンバス自体が透けてしまう.キャンバスは耐水で,絵の具用粘土になじみやすい素材で,なおかつ表面がザラザラしているものだと塗りやすいと感じた.中目のジェッソは粘土に比べてつるつるしているのでやりづらかった.(ジェッソの中でも粒子が荒めのものやモデリングペーストなどが考えられる)たぶん木材が一番絵の具の色が出やすい.紙に書く場合は水分で紙がゆがむので地塗りがあったほうが良い.
・しっかり乾燥させること
 絵の具が完全に乾燥する前に重ね塗りをするとひび割れが強く出る.絵の具に使用した粘土の粒子の大きさにバラつきが見られ,乾燥収縮の大きさが異なるからではないかと考えられる.乾燥時間は配合によって異なるが,手で触れてみて表面が乾いていても室温より冷たかったらまだ内部が乾いていないので,絵の具を塗った部分を触ってみて温かく感じるまで乾燥時間を設けた方が,重ね塗りがきれいに仕上がる.
・完成したら表面を保護する
 ラッカーやニス,フィキサチフなど.乾燥すると絵の具層が剥離する可能性があるため.またラッカーを使うとどの色でも鮮やかさが増す.
皆さんも是非挑戦してみて下さい!

バナースペース

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